第９９話 帰るべき場所（後編）
こんにちは、兄弟パワー全開で立ちはだかる敵をなぎ倒しつつ、
一路レクタールへと向かうＳＴＩＮＧです。
レクタールまでの道のりは、本当に長いです。
ミノキアまでのゲートが開いていればまだマシなのですが、
僕はミノキアすら行ったことがなかったので、コーラルから全行程
徒歩ということになります。
旅にアクシデントはつきもの。
この長い旅路の中で、一体どんな事件が待ち受けているのでしょうか！？
しかし何が起ころうとも、僕は絶対にレクタールへ辿り着いてみせます！！
いざっ！！(￣◇￣)ノ
はい、レクタール着きました（笑）。
いや・・・おいしいことなんて、そうそう起こりませんって(=￣Д￣；)y─┛゜゜゜゜
そんなわけで特に何も起こらなかったので妙に近いような印象を
受けるかもしれませんが実は相当遠い、このレクタールの町。
僕の本当の母親のエルフ女性は、この町にいるはずです。
落ち着け、落ち着け僕。落ち着くんだマイセルフ。
何も焦ることはない。僕には親父からもらった魔法のサイコロがある。
このサイコロを振るだけで、その人が母親かどうかわかるんだ。
そう、エルフ女性の前でサイコロを振る・・・それだけでいいんだ。
さあ・・・行こうか！！
エルフ全然いないやん（−−；
おいおい、話が違いますよーヾ(-ω-;)
エルフがいないと、サイコロも使いようがないじゃないですかっ。
ＨＵＭＭＥＬ：
「兄ちゃん、そこ歩いてる人に聞いてみたんだけど、
町の奥の神殿の中に、エルフの人が何人かいるみたいだよ？」
おお、そうかっ。
でかしたＨＵＭＭＥＬ！！ さっそく神殿に突撃です(≧▽≦)ノ彡☆
おおっ、ホントだ。エルフの女性だ。
もしかして、この人が僕の本当の母親・・・？
うーん、なんか緊張してきました。
サイコロを振る前に、とりあえず話しかけてみましょうか。
宗教勧誘されました（−−；
この人が母親だったら、ちょっと複雑ですね・・・
っていうか、はっきり言って嫌です。
・・・怖いですが、サイコロを振ってみますか。
�Δ�出れば母親確定です。頼むから出るなよ〜。
それっ！！
「�□�ハズレ。ただの潜伏中の連続誘拐殺人犯にすぎません。
放っておきましょう。」
あーーーよかった
ただの誘拐殺人犯でヽ(゜▽、゜)ノ
というわけで母親ではないことがめでたく確定し、他を探します。
どうでもいいけどこの人、潜伏中のくせに思いっきり窓口で顔さらしてるやん。
その後も神殿内で２人のエルフに出会い、サイコロを振りましたが
いずれも目は�ぁ��い箸い┐弌ΑΑ�
「�あ�母親じゃありません。ていうか独身女性です。むしろ彼氏募集中です。
好きな男性のタイプはバナナマンの日村です。よろしくお願いします。」
日村モテモテ（−−；
エルフ女性の男性趣味が多少変わっていることを思いがけず知る僕。
・・・って、そんなことどうでもいいのです。
他に、エルフ女性が見つからないのです！！
僕の母親は・・・いったいどこにいるのでしょう！？
ＨＵＭＭＥＬ：
「わかった。兄ちゃんのお母さん、職業が探偵か忍者で、
今たまたま変装スキル使ってるんだよ。
だから、エルフの姿をしてるとは限らないんだ！！」
うっわーそれ強引Σ(・д・ノ)ノ
・・・しかし、確かにその可能性もゼロではありません。
仕方ない、これからは見た目に惑わされず、片っ端からサイコロを
振っていくことにします！！
どんな外見であってもです！！(￣◇￣)ノ
・・・・・・・（−−；
いやいやいやっ。
これはないでしょ。いくらなんでもこれは嫌ですよ。
たとえ変装だったとしても、このビジュアルに対して「母さん」という
単語を発したくないです。
え？ 早くサイコロ振れって？
やっぱり振らなきゃダメ？
・・・何を期待してるんですか？（−−；
わかりましたよ。それっ！！
ふう、セーフセーフ(=￣Д￣；)y─┛゜゜
サイコロの神は、まだまだ引っ張るつもりのようです。
「��→母親ではありませんが、お世話になったことがあります。
あなたのおしめをとりかえてくれた通りすがりの人です。」
えーと・・・その節は、その、大変お世話になりまして〜m(_ _)m
って、どうリアクションとれっちゅうねん＞＜；
その後も人に会うたびサイコロを振りまくるも、なかなか母親には出会えず。
ていうか誘拐殺人犯多くないかこの町（−−；
そろそろ、また不安になってきた頃・・・
その瞬間は訪れました。
！！！！
「�Β�その人こそ母親です。持っている手紙を開きましょう。」
こ・・・こいつが・・・？
この一見普通の兄ちゃんにしか見えないこの人が、僕の母親・・・？
変装してこの姿になっているのか？
それとも、何か他にわけがあるのか・・・？
そうだ、この手紙。
親父は言っていた。これを開けば、全てが解決すると・・・
今こそこれを読む時です。
どれどれ・・・？（ドキドキドキドキ）
ＢＵＺＺの手紙：
『なーんてなっ♪
そんなサイコロ、インチキに決まっておろうが。まだまだ甘いな。
そもそもおまえの本当の母親がどこにいるかなんて、私は知らん。
レクタール？ うん、なんとなく思いついたから言ってみただけだ。
まあ、遠い街に行く方が母親を探してるっぽいだろ？ わはははは。
というわけで、目の前にいる赤の他人様にもヨロシクな〜。』
あ・・・あのクソ親父っ・・・＿|￣|○
僕は・・・何をやってるんだ？
これから・・・どうするんだ？
ああ、もう何もかもが・・・どうでも・・・よくなった・・・
「・・・っちゃーーーーん・・・」
まさか、その声は・・・？
ＨＯＲＮＥＴ：
「ぼっちゃん！！」
なっ・・・！！ ＨＯＲＮＥＴ！？
おまえ、なんでここに！？
ＨＯＲＮＥＴ：
「ぼっちゃん、お迎えにあがりました。
ここはあなたの帰るべき場所ではありません。
戻りましょう、ファンブルグへ！！ 我らがいきマタ家へ！！」
おまえ・・・わざわざ僕を迎えに、こんな果ての地まで・・・＠＠；
くっ・・・
しかしな、ＨＯＲＮＥＴ。
言ったろ？ おまえはクビだと。
おまえはもう僕の執事でも何でもない！！
ＨＯＲＮＥＴ：
「それがですね、ぼっちゃん。
よく考えてみたら私の雇い主はあなたではなく、あなたのお母様です。
だからあなたにクビと言われても関係ないのです。
今も私は、あなたの執事なのですよ♪」
何を・・・そんな嬉しそうにしゃべってんだ。
今までさんざんおまえをいじめてきた僕だぞ？
そんな僕を追いかけて、このレクタールまで一人で歩いてきたってのか？
無茶しやがって・・・
ＨＯＲＮＥＴ：
「はっはっはっ＾＾
ぼっちゃんやＢＵＺＺ様からの普段の仕打ちに比べれば
これぐらい、全然大したことじゃありませんよ(=￣Д￣)y─┛゜゜
さあぼっちゃん、帰りましょう！！」
バカが！！
妙にたくましくなりやがって＞＜；
わかった・・・
おまえのバカさかげんに免じて、帰ってやる。
帰ってやるよ・・・(ノへ≦。)
◆
◆
◆
◆
◆
ＢＵＺＺ：
「おお、帰ってきたか！！
早かったではないか♪ どうだ、楽しかったか？」
親父か。
そうだな。
はっはっはー。
確かに、楽しかったと言えなくも・・・＾＾
うおらぁ！！
ええかげんにせえよこの腐れ外道が！！
悪ふざけにも程があるっつーの！！ヾ(｀Д´)ノ"
というわけで僕は今日、はじめて親父を本気で斬ったのでした。
ＳＴＩＮＧ母：
「ＳＴＩＮＧ・・・・・・」
来てたのか・・・
なんか・・・気まずい。
言葉が、出てきません・・・
ＢＵＺＺ：
「おお、いいところに来た。
いま、全てが丸くおさまったところだ。
今の一撃で、これまで私達がＳＴＩＮＧに真実を伝えなかったことを
全てチャラにしてくれるらしいぞ。」
言ってねぇよ＠＠；
なんだその都合良すぎる解釈は！！
親父、勝手なのもいいかげんに・・・
ＳＴＩＮＧ母：
「まあ・・・よかった。ＳＴＩＮＧ、本当にごめんなさいね。
また、私を『母さん』と呼んでくれるのね。
ありがとう・・・本当にありがとう・・・(ノ◇≦。)」
そ・・・それも言ってないし(￣□￣；)
ＨＯＲＮＥＴ：
「よかったですな。これでまた、家族勢揃いですね♪」
ＢＵＺＺ：
「うむ、まあ計算通りだったがな。
サイコロを使ったあのイカしたジョークによって
荒んだＳＴＩＮＧの心が癒され、家に帰る気になったわけだ。
わははははヽ(゜▽、゜)ノ」
ＳＴＩＮＧ母：
「まあ・・・そうだったのね。すごいわＢＵＺＺ、見直したわっ（〃▽〃）」
それは絶対違うぞ
適当なこと言うなぁぁ＠＠；
でも、いつしか親しげに話している親父たち夫婦。
そういえば初めて見たような気がします。
２人が仲良く話しているのを。
まあ、僕が機嫌を直したと勝手に思い込んでるあたり、
調子がいいというか単純というかバカというか・・・
えーと・・・
ま、いいかぁ♪ヽ(゜▽、゜)ノ
これはこれで、いいんじゃないですかね？
やっぱりここは、居心地がいいのです。
本当の母さんには会えなかったけど
僕が帰るべき場所は、ここだったのかもしれません。
ＨＵＭＭＥＬ：
「ねえねえ、みんな揃ったところで、写真撮ろうよ写真！！」
写真か、いいねえ＾＾
皆、準備はいいかな？
撮るぞーーー。
はい３、２、１、どーん♪
ぱしゃ。
ＨＯＲＮＥＴ：
「また切れてますって！！＠＠；」
次回、最終話！！(￣◇￣)ノ