第９８話 帰るべき場所（前編）
こんにちは、母さんにリヴェリウス討伐の報告をするためアケルファに
やって来ましたが、普通に現れたんじゃつまらないので後ろからいきなり
声をかけて驚かしてやろうということで茂みから様子を窺っている、
茶目っ気たっぷりのプリティーボーイＳＴＩＮＧです（死）。
おっ、ＨＵＭＭＥＬも一緒か。なにしゃべってんのかな？
驚かす前に、ちょっと盗み聞きしてみますか＾＾
ＨＵＭＭＥＬ：
「へぇ、ボクも赤ん坊の頃は、父さんに結構遊んでもらったのかぁ。
全然覚えてないなー。」
ＳＴＩＮＧ母：
「そうよ、でもＢＵＺＺ・・・父さんは知っての通りちょっと変わってて、
『高い高い』をして遊んであげたら？って私が言ったら、
おもむろにあなたを担いで塔に突入して・・・」
ありえねぇ＠＠；
ＳＴＩＮＧ母：
「あの人、いつもそんな感じだから
『このままじゃいつか息子が殺される』と思って、
私はあの家を出たのよ。」
ＨＵＭＭＥＬ：
「そっか。それで母さんはボクを連れてこの実家に帰ってきたんだね。
でも、その時なんでＳＴＩＮＧ兄ちゃんは一緒に連れてこなかったの？」
ＳＴＩＮＧ母：
「え！？」
ＨＵＭＭＥＬ：
「兄ちゃんも同じ自分の子なんだから、一緒に連れてきたいと
思うものなんじゃないの？ なんかオトナの事情ってやつ？
まさか、実は自分の子じゃないとか＾＾」
へぇ、ＨＵＭＭＥＬもなかなか面白い発想するねぇ♪
僕が母さんの子じゃないだなんて。あははは＾＾
ＳＴＩＮＧ母：
「どきいっ！！
そ、そそそんなことあるわけなないでしょ
ななななに言ってるのここここの子は
オホホホうきゃきゃプギャーヽ(゜▽、゜；)ノ」
・・・って母さん、なんだその
わかりやすい動揺っぷりは（−−；
なぜ笑い飛ばさない？
ていうか肯定してるようにしか見えない・・・どういうことだ！？
ええい、見ちゃおれん。自分で聞く！！
母さん、僕はあなたの・・・子じゃないのか？
ＳＴＩＮＧ母：
「はっ・・・はいっ、その通りです！！
・・・あ！！＠＠；」
・・・Σ(￣□￣；)
僕が・・・母さんの本当の子じゃない・・・？
う、嘘だあああああああああ！！＞＜；
ＳＴＩＮＧ母：「ス・・・ＳＴＩＮＧ！？」
ＨＵＭＭＥＬ：「兄ちゃん！！ どこ行くの！？」
嘘だ嘘だ嘘だーーーー！！(ノ◇≦。)
親父、どういうことだ！？
僕が・・・母さんの本当の子じゃないって！？
そうなのかっ！？
ＢＵＺＺ：
「・・・そうか、知ってしまったか。
その通り、おまえはあの女の・・・実の子ではない。
おまえは、本当は・・・
世界征服のために作られたロボなのだ。
おまえの本当の名前はキャラメルマン１０号だ。」
真面目に話せゴルアァァァヾ(｀Д´)ノ"
ＢＵＺＺ：
「そうカリカリするな。
まあロボの話は冗談だが、確かにおまえの本当の母親は他にいる。
おまえを産んですぐいなくなってしまった、私の最初の妻。
エルフ女だった。・・・それがおまえの本当の母親だ。」
くっ・・・最初の妻だと？
そんな話、聞いたことないぞ・・・！！
ＢＵＺＺ：
「だいたい、父も母も弟も人間なのに、自分だけがエルフの姿を
している時点でおかしいと思わなかったか？」
おとっつぁん
それは言わない約束でしょ＞＜；
今まで、何人かの人からツッコミが入った点ではあったものの
ムリヤリ目を背け続けてきた矛盾・・・
人間の両親からエルフは生まれない。
つまり、こういうことになるか。
〜 いきマタ家 関係図 〜
くそっ！！
あの女、母親面して僕をずっと騙し続けていたとは・・・
確かに僕よりもＨＵＭＭＥＬの味方ばかりするような雰囲気は
感じていたけど、そういうことだったのか。
赤の他人より、実の子の方が大事に決まってるもんな！！＞＜；
ＢＵＺＺ：
「バカもんっ！！」
・・・親父・・・頼むから、力加減ってやつを覚えてくれ・・・＞＜；
ＢＵＺＺ：
「おまえは何もわかっちゃいない。
母さんは、実の子のＨＵＭＭＥＬと同様におまえを愛している！！
私と別れて家を出て行った時、おまえも一緒に連れて行くはずだった。
だが、母さんの実家は由緒正しく厳しい家で、血のつながらない
おまえの引き取りを断固として拒んだ。
おまえも辛かっただろうが、母さんも・・・辛かったんだ。
そう、母さんがＨＵＭＭＥＬの味方をするのは、実の子だからではない。
単にＨＵＭＭＥＬの方が素直でかわいいからだ！！」
親父、それはフォローになってるのか？（−−；
とにかく、僕はもうこんなところにはいられない。
よってたかって僕を騙しやがって・・・
僕はここを出て行く！！
親父、僕の本当の母親はどこにいる！？
そのエルフ女にもひと目会って、文句言ってやる！！
ＢＵＺＺ：
「ふむ・・・会いにいくか。
おまえの本当の母親は・・・レクタールにいる。」
レクタール？？Σ(・д・ノ)ノ
まだ一度も行ったことないけど、コーラルから南のルミナスへ行き、
鉱山を抜けてミノキアへ出て、さらにずっと先にある最果ての町か？
そんなところに、僕の本当の母親がいるなんて・・・
ＢＵＺＺ：
「なんせ約２０年ぶりの再会だ、お互い顔もわからんだろう。
おまえの母親であることを特定するために、
この魔法のアイテムをくれてやる。」
母親を特定する、魔法のアイテム？
まさか・・・
またこれかっ（−−；
何が「�供廚世叩�
親父いわく、「母親探しといえばサイコロだろう」とのこと。
なに勝手に法則化してんだ。
このサイコロは前回（第63話）と使い方はほぼ同じで、
「怪しい」と思う人の前でそのサイコロを振り、出た目によって
その人が僕の母親かどうかわかるらしいです。
� 銑Δ量椶蓮△修譴召貅，里茲Δ憤嫐�を示すとのこと。
「� ΑΑ�赤の他人です。他をあたりましょう。」
なるほど。こういう感じで母親かどうかがわかるわけですね。
「�□�ハズレ。ただの潜伏中の連続誘拐殺人犯にすぎません。
放っておきましょう。」
いや・・・それ、ほっといていいのか？＠＠；
「��→母親ではありませんが、お世話になったことがあります。
あなたのおしめをとりかえてくれた通りすがりの人です。」
・・・通りすがりの人にやらせるなっヾ(-ω-;)
「�あ�母親じゃありません。ていうか独身女性です。むしろ彼氏募集中です。
好きな男性のタイプはバナナマンの日村です。よろしくお願いします。」
聞いてねぇよ（。−｀ω−）ノ
ていうか趣味悪くないか？（−−；
「�ア�大ハズレです。この人が母親であるはずがありません。
そんなこともわからないのですか。あなたは相当バカですね。
死ねばいいのに。」
何故そこまで言われなきゃならんのじゃ＞＜；
大丈夫か、このサイコロ・・・
なんかロクな目がないんですけど（−−；
「�Β�その人こそ母親です。持っている手紙を開きましょう。」
おお、要するに�Δ�出ればいいんだね。
でも、手紙ってなんのことだ？
ＢＵＺＺ：
「うむ、これを持っていけ。
これを開くとき、全てが解決することであろう。」
なんだかよくわからんけど・・・これがそのうち役に立つってことか。
親父、このサイコロと手紙はありがたくもらっておく。
でも、僕はもうここに戻ってくるつもりはない。
何年もずっと自分を騙してきた人と一緒に仲良く暮らしていけるほど
僕はできた奴じゃないんだ。
ＢＵＺＺ：
「・・・・・・わかった。まあ、達者で暮らせ。
餞別がわりに、おまえのその怪我を治してやるよ。」
あんたが怪我させといて
偉そうに言うな（。−｀ω−）ノ
ＨＯＲＮＥＴ：
「ぼっちゃん！！ 聞こえましたぞ！！
出て行くだなんて・・・考え直して下さい！！」
ＨＯＲＮＥＴか・・・
そういえばおまえは、２人目の母さんがＨＵＭＭＥＬを連れて家を
出て行く時に、置き土産のように執事として雇われたんだったな。
どうせ、おまえも知ってたんだろ？
おまえも・・・僕を騙してたんだろ？
ＨＯＲＮＥＴ：
「いやそんな、決して騙していたわけでは・・・
言わない方が、ぼっちゃんの為と！！」
もういい。
おまえは・・・クビだ。
ＨＯＲＮＥＴ：
「！！！」
知ってるよ。毎日僕にいじめられて、辛くて仕方ないんだろ？
だったら、ちょうどいいじゃないか。今日からおまえは自由の身だ。
どこへなりとも行くがいいさ。
もう２度と会うことはないだろう。
さらばだ、ＨＯＲＮＥＴ。
うるさい。ついてくるな。
でも、今まで・・・
ありがとう。
僕は、これからどこへ行くのでしょう。
そして、どこへ帰るのでしょうか。
まずはレクタールに行き、本当の母親に会う。
会ってどうする？ わからない。
その後のことは、その後考えます。
今はとにかく・・・母親に会ってみたい。
コーラルに到着、ここからレクタールに向かいます。
ＨＵＭＭＥＬ：
「兄ちゃん！！」
ＨＵＭＭＥＬ？
おまえ、なんでここに？
ＨＵＭＭＥＬ：
「レクタールっていうところに行くんだよね？
ボクも行ったことないし、連れてってよ。
スキル上げにもなるしね＾＾」
誰に聞いたんでしょうか。親父？ ＨＯＲＮＥＴ？
僕一人だと心もとないから、護衛するよう言われたのでしょうか。
まあいいや、正直言って魔術師の同行は助かる。
来てくれてありがとう。メテオでもヴォルケスでもフロスティアでも、
好きなスキルをガンガン上げるがいいさ♪
それはいらんヾ(-ω-;)
そんな感じで、僕らはレクタールへ向けて出発しました。
本当の母親に会うことは・・・できるのでしょうか？
後編に続きます！！